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星新一『にぎやかな部屋』

Posted in 星新一 by UBSGW on 2006年8月7日

星新一の戯作風中編小説。物語の舞台は事務所として使われているビルの一室。金銭至上主義の金貸し男とその妻であるあやしげな占い師が登場。さらに詐欺師、強盗グループが出現。ミソは登場人物凡てに背後霊が取り憑いていること。ウィットに溢れる反面、とてもシニカルな星新一の世界。この作品にはシニカルさが顕著に現われていました。

生きている連中の世界には、予想の原則なんてねえんだよ。あるのは偶然だけ。偶然とその結果だけ。それを各人が自己の好みで蒐集し、勝手な理窟をつけて人生観としてるだけさ。悪の栄えたためしがねえという偶然と結果の例だけを集めれば、そんな原理も出来あがっちゃう。逆に、悪事をしなければ栄えないという例だけを集めれば、そんな人生観も出来あがる。強い者が勝つ例だけ集めれば、その原則が確立し、負けるが勝ちの例だけ集めれば、そうともなる。どうにでもならあな。

星新一「にぎやかな部屋」

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