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盲目~『エデンの東』より

Posted in 雑記 by UBSGW on 2006年8月20日

たぶん、私たちの心の中には秘密の池がある。そこで醜悪な何かが発生し、しだいに力を増して、池に巡らされた柵をよじ登ろうとする。だが、普通は柵が高く、登りきれずに、また池に落ちていく。まれに、とくに暗い水溜りを秘めている人がいて、とりわけ強い悪が育ち、柵を乗り越え、外に逃れ出る。そうした人を、私たちは怪物と呼ぶのではなかろうか。だが、秘密の水溜りは誰にでもある。天使だけでなく悪魔も人間の発明物だ。ならば、両方をともに理解できるのが当然であり、できないというほうがおかしい。(中略)アダムの目には(イヴの)真の姿が見えなかっただろう。美しさと繊細さのイメージだけが心に焼きついた。キャシー(イヴ)は優しく神々しい、考えも及ばないほどに尊い、清楚で愛情豊か・・・それがアダムの抱くキャシー(イヴ)像であり、キャシー(イヴ)が現実に何をし、何を言っても、焼きついた像が歪むことはなかった。

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