求道blog

浅田次郎「月島慕情」

Posted in 日本文学一般 by UBSGW on 2006年9月1日

読了。

だれにでもある感情の機微を掬い取って紡ぎ出される浅田次郎のストーリーは絶品。
今さら私如きが言うのもなんですが・・・。
小難しい”文ガク”とはまるで別世界のもの。

「卯吉さん」
ミノは呼び止めた。心の中は読み切られているのだろうけれど、真心のほんの少しでも、誰かに聞いてほしかった。
「あたしね、この世にきれいごとなんてひとっつもないんだって、よくわかったの。だったら、あたしがそのきれいごとをこしらえるってのも、悪かないなって思ったのよ」
卯吉は老いた顔を首だけ振り向けて言った。
「ばかだな、おめえは」
「それァ承知さ」
「ばかだが、いい女だぜ」

http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/

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