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田中澄江『この愛はそれでいいのか』

Posted in 書籍一般 by UBSGW on 2006年9月18日

読了。

身近な人間関係についてあらためて考えさせられるところがありました。

(夫婦の生活は)毎日毎日が危機の連続である。意識下にも意識の上にも危機はひそむ。・・・父と母が不和であると知らせることは、子どもたちの将来において、愛情というものに不信を抱かせるもとになるし、何よりも幼い子どもたちは、親の庇護を受けてのみ育ってゆくものであって、か弱い子どもの神経に、父母の不和についての傷心を与えることは、犯罪にも似ている。

私の姑は、私にとってかなりきびしい、厳格なひとと思われ、ことごとに注意されてばかりいるように思っていたのだけれど、・・・まことの愛情があれば、ひとは、ただ甘い言葉で語り、寛大な態度で許すばかりでなく、ときには辛い言葉で告げ、きびしい態度で拒否することもある。いや、後者のほうが、はるかに相手のためを思う愛情のほとばしりである、と教えてくれたのは、姑なのであった。私は・・・自分が即座に、私もまた姑をいとしい、と言えなかったのを大きな恥とした。

それぞれが孤独な自分という認識をしっかりと持ち、なお仲間と助け合うとき、人間として一番よい関係が生まれるのではないだろうか。はじめから仲間に荷物を持たせて、自分はらくな道をゆこう、仲間が注意してくれるはずだから、自分はただだまってあとをついてゆけばよい—というような甘えたひとは、やがてあいてにとってやりきれない存在になる。

田中澄江『この愛はそれでいいのか』青春出版社1975

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