求道blog

河野多惠子『後日の話』

Posted in 日本文学一般 by UBSGW on 2006年10月18日

読了。

先日読んだ中村雄二郎の対談集でこの作家の名前を知って興味が湧いたので、とりあえず一冊読んでみました。
bk1の紹介文には「物語の復権を告げる堂々たる綺譚」とかなり目を引くコピーがありましたが。

舞台はイタリア。
少女の頃にふと漏らした一言で、以来「変わり者」の烙印を押された女性が主人公。
結婚相手はなかなかの好人物。ただし極く稀にふとしたことで激高してしまう男。
そして彼はそうした性格ゆえに破滅する。
刑死間際の彼の行動は彼の、この女性に対する恋着を示す。
結末における彼女の行動は、意外。その男がもっとも衝撃を受けるであろう行動。男に対するささやかな復讐だったのか。

この物語を以て女性心理を語るのはどうかとも思いますが、ありそうな話だという気もしました。そう思わせるところは文学の力でしょうか。それとも・・・。
今までに読んだことのある女性作家と比べると、わりと異色という感じがしました。

子供は自分を最も愛してくれていると感じている人に対して、最も駄々をこねるのだ。

世間は浅墓で、無責任で、愚かで、残酷で、それ故に非常な力をもっているでしょう。・・・世捨て人のように暮らしたらと、幾度も空想した・・・しかし、それは駄目。世間からの滋養がないのだもの。

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