論断と行動
水の事を講釈致し候とても、口はぬれ不申候火を能く説くとも、口は熱からず、誠の水、誠の火に触れてならでは知れぬもの也。書を講釈したるまでにては知れ不申候食物をよく説くとても、ひだるき事は直り不申候。
沢庵「不動知神妙録」
水のことをあれこれ口で言っても口が(ホントに)濡れることはない、火についてあれこれ説いても口は熱くはない、そんなものは本物の水や本物の火に触れなければ乾湿も冷熱も分かりっこない。字の書き方ををクドクド講釈するだけでは何も伝わらず、食べ物についてあれこれ話したところで空腹は治らない。
口やペンを動かす前に、小理窟や非難を述べたてる前に、まずは自分自身が動かねば。行動で示さねば。「話」はそれからだ。
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