求道blog

天佑に乗っかる安倍政権

Posted in 報道・ジャーナリズム by UBSGW on 2006年11月23日

安倍政権発足から2ヶ月。

その間に生じた様々なトラブル(北朝鮮の核実験強行、履修逃れ問題、いじめによる自殺多発)は、日本にとっては災難でも安倍政権にとっては天佑神助とも言えるような印象を持つ。

もちろん他方では安倍政権のチョンボ(タウンミィーティングやらせ問題など)もあった。しかし、TM問題が政権を揺るがすほどのインパクトを持つかと言えばどうもそれほどのものではないようだ。もう「やってしまったこと」としてうやむやのまま終るのだろう(せいぜい下級官僚への訓戒程度)と私は思っている。

それに引き比べてみると、それ以外の問題が「今後の」安倍政権にもたらすメリットは遥かに大きいように見える。現に教育基本法改正案の成立はほぼ既定路線である。

日本にとっては不幸なアクシデント、トラブルが安倍政権にとっては天の配剤とさえ言える幸運の連続であろうということを表白した日本の新聞社があるのかどうか私は知らない(だってそんなこと書いたら一部の読者からクレームが持ち込まれるのは必定だもの)。お気の毒なことです。もっとも敢えてそんなことを書いても誰も喜ばないということもあるでしょうが・・・。(そもそもそれほど熱心に新聞を読む習慣はないので、私が見落としているだけかもしれません)

しかしながら日々、相次いで明らかになる事件や事故の報道洪水のなかで、ともすると”藁にもすがる”思いで”ケッタイなものを掴んでしまう怖れなしとは言えないのではなかろうか。自戒しておきたいと思う。

私は、ほんの時々ですが海外の新聞などをネットで眺めています。
主体性のない方法とお叱りを受けるかもしれませんが、それらの海外紙をちらりと読むだけでも、少しばかりは物事を相対化してみることが出来るような気もします。とはいえ、アメリカのクオリティペーパーあたりは見出し以外の閲読は有料のところが多いようで敷居が高い感じです(英語だし)。

その点、韓国の新聞の日本語ページは入りやすいです。隣国だけに日本関係の記事も多いですし。

とまあ

ここまでは後付けの理屈でありまして

以下、たまたま読んだ朝鮮日報の記事。

 日本をめぐる国内外の厳しい現実が、安倍首相の改革を後押しするかのように次々と起こっている。

 北朝鮮が無謀な核実験で安倍首相の安保改革を加速させたと思えば、今度は「いじめ」と「高校履修単位不足」問題が教育改革の必要性をクローズアップさせている。現実界の悪材料が政策的好材料になっているのだ。「安保」と「教育」はまさに安倍首相が目指す改革の2大軸だ。

 安倍首相の教育改革は、生徒の愛国心育成・実力向上・教員免許更新制が柱になっている。「安倍式」の改革が履修単位不足やいじめ問題を解決するのに妥当かどうかは別として、安倍首相が掲げた「教育改革」は世論の後押しを受けている。

 北朝鮮の暴走が改憲・再軍備を目指す安倍式「安保改革」を既成事実化しているのと同様だ。

朝鮮日報

別段、いじめ問題や履修逃れが安倍政権の陰謀だなどとは申しません(論拠が見出せませんので)。ただ、それらが結果として安倍政権の政治目標の達成に”貢献”する形になっているのは事実でしょう。

居ながらにして海外の新聞をあれこれと参照できるとは、ほんとうにインターネットの有り難さが身にしみる今日このごろです。

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