求道blog

内田樹『レヴィナスと愛の現象学』

Posted in 書籍一般 by UBSGW on 2007年1月4日

読んでいるうちに自分の脳みそが活性化していくような気にさせられる書物。広い意味での「愛」について考えさせられた・・・。詳細についてはしばらく塩漬け保存で発酵待ちとする。(「んなもん発酵させてから書けよ!」なんて野次はどうかご勘弁を)
値が張るところが難点と言えば難点。しかし二読三読に堪えるであろうところで推奨。「ありがちな恋愛にチョット疲れ気味~」という向きにはとくにお奨めかも、です。

私たちのほとんどは、人を殺そうとしたが、その眼から「汝、殺す勿れ」というメッセージを聞き取ってためらった、というような極限的な経験を有していない。にもかかわらず、レヴィナスが「私たちが真に殺したく望むのは他者である」と書くとき、その対面の緊張は固有のリアリティをもって私たちの思考を領する。(・・・)実際の私たちのすべてが、レヴィナスが書くような劇的なエロス的経験を有しているわけではない。にもかかわらず、例えば、「官能の官能」という概念は、私たちを、私たちが経験したことのない劇的事況の根源的な「意味」についての考察へと私たちを執拗に誘うのである。

一冊の締めの言葉はこれ。

人間性の条件とは、まさしく「一でありつつ二である」こと、引き裂かれていることによって、知性と自由を確保する困難な選択のうちに存するのである。

「あれか、これか」「改憲か護憲か」「A君かB君か」「白か黒か」
そのような状況に置かれている人にこそ、この本は手に取ってもらえることを待ち望んでいるのだ。そんな気もします。

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