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防衛省発足と安倍首相訓辞

Posted in 政治 by UBSGW on 2007年1月17日

冷戦期、厳しい東西の対立構造は、国内政治にも少なからず影響を及ぼしました。一部には防衛庁・自衛隊の存立自体にすら異議申し立てのある時代。(中略)冷戦終結とともに、我が国を取り巻<安全保障環境は一変しました。我々が直面する危機を正面から見据え、防衛力の役割を根本的に見直す必要が生じたのです。(中略)

今、我が国は、正に 「新時代の黎明期」 にあると言っても過言ではありません。私は、これまで、「戦後レジームからの脱却」 ということを繰り返し述べてきました。「美しい国、日本」を造っていくためには、「戦後体制は普遍不易」とのドグマから決別し、二十一世紀に相応しい日本の姿、そして新たな理想を追求し、形にしていくことこそが求められています。(中略)

若き日のド・ゴールは、その著書「別の刃」 の中で、「難局に立ち向かう精神力の人は自分だけを頼みとする。このように自らの方針にのっとり、自己の責任において事を断行する態度は行動に強烈な刻印を押す。・・それは決して、・・忠告を踏みにじらんとするものではない。彼には、止むに止まれぬ気概と、断行せずにはおれない心の疼きがあるのである。」 と述べています。私も、これと全<同じ気構えで、「美しい国造り」 に全力を挙げて取り組んでまいります。

集団的自衛権の問題についても、国民の安全を第一義とし、いかなる場合が、憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的な事例に即して、清々と研究を進めてまいります。

今回の法改正により、防衛庁を、省に昇格させ、国防と安全保障の企画立案を担う政策官庁として位置付け、さらには、国防と国際社会の平和に取り組む我が国の姿勢を明確にすることができました。これは、とりもなおさず、戦後レジームから脱却し、新たな国造りを行うための基礎、大きな第一歩となるものであります。一方、防衛庁省移行法の成立は、我が国の民主主義国家としての成熟、そしてシビリアン・コントロールへの自信、さらには国際社会の中で平和と安定のために責任ある役割を担ってい<という国家・国民の意志を内外に示すこととなりました。(以下省略)

防衛省発足と安倍内閣総理大臣訓示(全文 pdfファイル)

以上を私なりに要約すると、
「自分だけを頼みと」して「戦後体制というドグマ」を粉砕し「戦後レジームからの脱却」を完遂して「美しい国をつくる」
そういうことのようです。

ドグマ、レジーム・・・。政治家らしい物言いといえば言えそうですね。ところで、安倍さんのいう「戦後体制」とは一体なんぞや。そこに彼はどのような意味を持たせているのかどうにもはっきりとはわからない。そして彼が目指すらしい「美しい国」も同様に美しくて言葉になにならない(なっていない)。

「おまえたちは間違ってる、なにひとつ分かってない!」
そう彼は言っている、のかな。

自分自身がどのようなドグマに囚われているのかを考えたことすらない者だけが他人のドグマを糾弾出来るのだ、恥ずかしげもなく。
なにはともあれ防衛省発足、おめでとうさん。

以下、訓辞全文(上記pdfファイルからテキスト化)

    平成十九年一月 防衛省移行記念式典における 内閣総理大臣訓示
                         (聞き取りのまま)

 サンフランシスコ平和条約が発効し、我が国が主権を回復してから、五十五年の歳月が流れようとしています。本日、正にこのとき、国防という国家主権と不可分な任務を担う組織たる防衛省を発足させることができたことを、私は時の内閣総理大臣として、誇りとするものであります。この歴史的な日に際し、全国の防衛省・自衛隊諸官に対し、所信の一端を申し述べます。

 我が国が先の大戦の災禍から復興に向け、力強く歩み始めた昭和二十九年、保安庁を改組、防衛庁・自衛隊は、産声をあげました。旧軍とは全く異なる思想に立脚する民主国家の国防組織。それは正にゼロからの出発でした。国防は、言うまでもなく、国民の生命、身体、財産を守る、国家の最も基本的な権能であります。しかしながら、防衛庁・自衛隊を巡る内外の諸情勢から、その後、長らく、「省」としてではなく、総理府の外局として位置付けられることとなったのです。

 冷戦期、厳しい東西の対立構造は、国内政治にも少なからず影響を及ぼしました。一部には防衛庁・自衛隊の存立自体にすら異議申し立てのある時代。諸官の先輩達は、多くの国民からの静かなる支持と信頼を胸に、国の守りを万全なものとすべく、黙々と、時には歯を食いしばり、時には涙し、日々の訓練に励み、また、災害派遣や民生協力に当たってこられました。

 冷戦終結とともに、我が国を取り巻く安全保障環境は一変しました。我々が直面する危機を正面から見据え、防衛力の役割を根本的に見直す必要が生じたのです。

 平成二年の湾岸危機以後、自衛隊には、PKOを始めとする様々な海外任務が付与されました。こうした海外での活動、また、阪神・淡路大震災をはじめ国内で頻発した大規模災害、さらに、能登半島沖不審船事案における海上警備行動などの現場において、国民の生命、身体、そして、財産を守るため、諸官が一身を顧みず、懸命に汗を流す姿に、大多数の国民の共感と信頼が集まりました。

 今般の省移行法は、衆参両院で九割以上の国会議員の賛成により成立しました。これは、すべからく隊員諸官や諸先輩の長期間にわたる国防という高貴な使命に捧げた努力の賜であります。

 「危険を顧みず、身をもって責務を完遂し、国民の負託にこたえること。」これこそが防衛省職員・自衛隊員の責務であります。しかしながら、発足以来、実に千七百人を超える自衛隊員が職に殉じ、尊い命を失ったという事実を我々は決して忘れてはなりません。国家・国民のため、崇高な使命に殉じた御霊に対し、衷心より哀悼の誠を捧げます。

今、我が国は、正に「新時代の黎明期」にあると言っても過言ではありません。

 私は、これまで、「戦後レジームからの脱却」ということを繰り返し述べてきました。「美しい国、日本」を造っていくためには、「戦後体制は普遍不易」とのドグマから決別し、二十一世紀に相応しい日本の姿、そして新たな理想を追求し、形にしていくことこそが求められています。

 若き日のド・ゴールは、その著書「剣の刃」の中で、「難局に立ち向かう精神力の人は自分だけを頼みとする。このように自らの方針にのっとり、自己の責任において事を断行する態度は行動に強烈な刻印を押す。・・それは決して、・・忠告を踏みにじらんとするものではない。彼には、止むに止まれぬ気概と、断行せずにはおれない心の疼きがあるのである。」と述べています。私も、これと全く同じ気構えで、「美しい国造り」に全力を挙げて取り組んでまいります。集団的自衛権の問題についても、国民の安全を第一義とし、いかなる場合が、憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、個別具体的な事例に即して、清々と研究を進めてまいります。

 今回の法改正により、防衛庁を、省に昇格させ、国防と安全保障の企画立案を担う政策官庁として位置付け、さらには、国防と国際社会の平和に取り組む我が国の姿勢を明確にすることができました。これは、とりもなおさず、戦後レジームから脱却し、新たな国造りを行うための基礎、大きな第一歩となるものであります。

 一方、防衛庁省移行法の成立は、我が国の民主主義国家としての成熟、そしてシビリアン・コントロールヘの自信、さらには国際社会の中で平和と安定のために責任ある役割を担っていくという国家・国民の意志を内外に示すこととなりました。

 先日、フィリピンのアロヨ大統領と首脳会談を行った際、同大統領から「防衛庁の防衛省への昇格を歓迎する」との言葉をいただきました。これは、東アジア地域の安全保障において、今後、我が国がより積極的な役割を果たしていくことを希求するとともに、我が国のシビリアン・コントロールの成熟に対する絶大なる信頼を表明したものと言えると思います。

 今、この瞬間、瞬間にも、イラクやゴラン高原の地で、インド洋の洋上で、あるいは隔絶の離島で、更には自衛隊の基地や駐屯地で、厳しい現場の任務に従事している隊員達がいます。

私は、彼ら、一人一人の姿を、確実に脳裏に像として結ぶことができます。私は、最高指揮官として、常に諸官とともにあります。同時に、諸官の活動を誇りとし、今後ますますの活躍に大いに期待するものであります。

 今後も、我が国が平和と繁栄を享受できるよう、高い規律と士気を保持するとともに、この「美しい国」と国民の未来のために、世界の平和と安定という崇高な使命のために、更に献身的な貢献をしていただくよう諸官に切望し、私の訓示といたします。

平成十九年一月九日

内閣総理大臣 安倍 晋三

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