求道blog

苦汁から煮汁へ

Posted in 雑記 by UBSGW on 2007年3月8日

昨日今日と「煮汁」って言葉が頭から離れない。
干し椎茸の戻し汁で炊いた御飯。
ガンモから滲み出すおでんの出汁。
醤油が少しだけ淡くなった煮魚の煮汁。
せこいか?いいんだよ。
煮汁。
含蓄あるよね。

くどいようだが、煮汁の味の深みを言葉にできるか?

賽銭泥棒のコラムに腹を立てたことをつい先日書いたのだが、その後今度は自分に腹が立っていた。あほらしいが。ってかアホだけど。

いや、わかってたんだよ。
どっかの親父がもっともらしい顔して四の五のたれる説教にハラ立てて怒鳴り返してもさ、結局そいつと同じことやってるだけなんだってことはさ。
わかってたんだよ。腹立ちをそのまま紙面に(画面に)ぶちまけたって誰も喜ばねえし世の中が明るくなるもんでもない。
わかってたんだよ。
それでまあ、書いたあともずっと頭のすみにコゲついてたのだ。
せっかくだからそのコゲをこそいでマジマジと眺めてみた。

そんで分かったのはこういうことだ。
味のしない、深みのない料理出されて
「んなもん、食えっか!コラ」って卓袱台ひっくり返しただけなのだ。
腹へってんのにバカだね。
実際のとこ、食えないわけじゃなかったのだ。その気さえあれば。
ただ、あっちでもこっちでもさ、味けのない料理ばっかり出されてさ、たまたま卓袱台に坐ったときに爆発しただけなのだ。
「じゃ、自分で料理しろよ」
そうなんです。
で、いま四苦八苦してるよ。
味のしない料理は食い飽きた。
もうたくさん。
俺は、お湯に醤油たらして茹でた麺ぶちこんだだけのラーメンなんぞ喰いたくもねえ。作りたくもねえ。お客はさ、お湯を飲みたい訳じゃねえ、醤油飲みたいわけでもねえ、カンスイのきいた麺を喰いたいわけでもねえ。
ラーメンが食いたいんだ。味のある旨いラーメンが食いたいんだよ。
お湯100円、醤油100円、麺200円、調理料200円、サービス料100円しめて700円。そんな合成食料じゃないもんを。
原価200円+旨み500円のラーメンを食いたいんだよ。
客は旨みに金を出す。違うかい?

どうせなら旨みのある文章が読みたいし書きたい。
この前の俺の文章には旨みなんぞかけらもなかった。わかってるよ。わかってて「タダだからよ、喰いたいなら勝手に喰ってくれ」って出したんだよ。

タダでもさ、旨いラーメンはそこらじゅうにあるんだよね。魚の煮汁のように滋味に溢れた複雑かつ繊細な味をもったラーメンがさ。「ブックマーク」にお奨めのラーメン屋載せてますが(含製麺所)。
いくらでもあるんですよ、いまどき。おどろくほど。
図書館に行けば歴代の旨いラーメンが選びきれないほどたくさん冷凍保存されてるし。
ほんとは世の中旨いもんにあふれてんだが、マスメディアにのっかった「流行りのラーメン屋」ばかりに目を奪われてしまうんだよね。もったいない。
「ドロボウは悪い」
「水は液体である」
ああそうかい。
んで、煮汁はどこにある?
世間には深みのない味のない言葉ばかりが漂ってるように思いがちだが、そんなものは上澄み、いやアクだよな。そんなものはヒョイとおたまですくって捨てちまうか。もったいなけりゃ畑にでもまくかな。何かの役には立つかもしんない。

煮汁。
いい言葉だなあ。
たった二文字からいろんなもんが滲み出してくるよ。
と、書き付けてもおそらく煮汁の深みは伝えきれていないだろうな。
なので、煮汁については「カフェ・ヒラカワ店主軽薄」の方をお訪ねください。

煮汁を味わおう。
俺もうまい煮汁が出るように仕込みをせねば。
苦汁もね、飲みたい人はいるよ、たぶん。青汁ってのもあるし。ただ俺が飲みたくなかっただけさ。今の俺に必要なのは甘露だってことだ。それだけのことだった。
バカだね。

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