求道blog

『筒井康隆全集 21』

Posted in 日本文学一般 by UBSGW on 2007年6月5日

気分爽快。快食快便。生気充溢。
つねに斯くありたいものだ。

「良薬口に苦し」とはいうものの、これは読書に関してはあてはまらないと私はカッテニ考えている。硬軟を問わず読書は常に楽しい。ツマラナイ本は読まないことにしているのだ。面白くない本を読んでいられるほど人生は長くない。

筒井康隆の作品を読んでツマラナイ思いをしたことはまだ一度もない。今回も満喫。収録作品はアマチュア文学者の悲喜劇と”お文学”が幅を利かせている文学界への風刺を込めた「大いなる助走」、書評集「みだれ撃ち瀆書ノート」の二作品。
大爆笑。

「大いなる・・・」はとりたてて実験的な手法で書かれているわけでもない、筋立ても田舎文学者が文学賞落選の恨みから審査員老大家たちをつぎつぎに射殺していくという単純明快なものであるにもかかわらず(あるいはそれゆえに)ひたすら笑える、死ぬほど。

銃口をを突きつけられた老大家のひとりが「歌を一曲うたわせてほしい」と懇願して歌いだす。
「出た出た月が」
「えっさえっさ、えさほいさっさ」「お猿の駕籠屋だほいさっさ」
「カラスなぜ鳴くの」
「森の木陰でドンジャラホイ」
「そそらそらそら兎のダンス」。
ここのところでわたし泣きました。面白すぎて。

今や殺されんとする状況で童謡を歌う珍妙さ、などと書いても面白くもなんともない。が、そんな一見なんでもない作りの一文からとめどなく溢れ出す笑気。これを芸と言わずしてなんというべきか。

・・・なんてことを書いてもあんまし意味無いんだな。芸がない。

いやいや、楽しませていただきました。

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