求道blog

こうやくいかん

Posted in 行政, 報道・ジャーナリズム, 政治 by UBSGW on 2007年12月14日

もうとっくに視界から消えていた話題がまたぞろわさわさと薮の中から飛び出してきました。年金記録問題のことです。しかしあれです、「ないものはない」「(記録精査は)エンドレスです (=実現不可能だぁ)」とは舛添さんしか言えない言葉でしょうね。いや、舛添さんというよりはタレント議員だけが許される発言。これがフツーの議員さん、まして2世、3世のおぼっちゃま大臣の発言であったら逆風どころか暴風雨になったでしょう。今の日本では本当のことを発言することは「道化師」だけに許されている特権なのでしょうね。ははは。

膨大な年金記録の照合をそもそも半年や一年で実行できないことは分かりきっていたわけですが、就任したばかりの(福田康夫)首相にしろ厚生大臣にしろ「どうします?」と問われて「無理です」とはそりゃ言えない。「解決します!」としか言えるはずがない。それをいまさら公約公約違反違反と責めたところで、あまりに白々しいのではないだろうか。なにせ記録の完全照合が土台無理難題であることは自明のことだったのだから。この点については、この年金記録不備の問題が明るみに出た当初からそれが遂行不可能なミッションであることを多くの人が指摘していた。そして私ですら書いた。

そのエントリ(の大意)に「やれソース」だ「データ」だ「証明せよ」などと疑い深い現代人向けに(疑い深くて当然だ!)細かい数字をくっつけると次のようになる(毎日新聞と私とは縁もゆかりもないことをあらかじめお断りしておく)。

宙に浮く年金記録約5000万件の内訳(・・・)うち945万件(全体の18.5%)については氏名などの転記ミスがある記録で、相当数は今後手書きの原簿と照合をしても持ち主の特定が困難(・・・)「氏名」「性別」「生年月日」の3条件を、コンピューター上で5095万件の3条件と突き合せているが、まだ5095万件のうち1975万件は条件が一致していない。(・・・)

これを要するに「やばい、無理かなとは思ってたけどやっぱり無理でした」ということにすぎない。つまり(年金記録問題を短期間で解決することは不可能であるという)結論は最初から見えており、今回のはなしはそれを数字で表現しただけということだ。当たり前田のクラッカー。そもそも延べで2億件近い、そもそも怪しげなデータが電子計算機のプログラム如きでどうにかなるものではなかった。

この記事によると「3条件」では名寄せできないものの内訳は次のようになっている。

  1. 死亡者の記録とみられる:280万件(5.4%)
  2. 結婚などによる氏名変更:510万件(10.0%)
  3. 氏名の漢字カナ誤変換:240万件(4.7%)
  4. その他:945万件

さらに言えば、この調査結果にしても死亡・結婚・誤変換であったと判明したのではなく、「たぶんそうじゃないかなぁ」という目星がついたというだけのはなし。往々にして、細かな数字が並ぶといかにも確からしく見えてしまうものだがそのじつ、上の数字はまるで確かではない。仮説・推測の羅列というだけのことだ。さらに最後の項目945万件とあるが、これなどは「まるででたらめでした」と数字が語っている。

手書き記録を入力する際、社保庁職員が誤った情報を打ち込んだものや、採用条件を満たすため年齢を偽って申請した人の記録などとみられる。こうした記録は原簿と照合しても情報を一致させるのが難しく(以下略)

これは実際上、難しいのではなく無理だとはっきり言うべきだろうが、不可能であることを「証明することができない」のをよいことにぼかした表現をしていると見える。与件がそもそもめちゃくちゃ(「誤り」ではなく「無い」に等しい)なら解決は不可能と言うしかない。

数字が並んでいかにも「調査らしく」見えるけれど、言っていることは単に「やっぱり全部は無理!」「一年以内なんてとんでもない!!」、と、それだけのこと。

たとえ話風に言えば、標高10万メートルの山に登ることを厳命された人が大金はたいてちっぽけな酸素ボンベを買い整えレーザー測距機その他で山の高さを測定して「一年以内に頂上に辿り着きます、ぜったい!」と言ったところで信じる者などいるはずもない。その職責上「登ります」と言わざるを得ないものをつかまえて登ると言わせ、「やっぱ無理そう」と彼が尻込みしたところで「おまえ登るて言うたやないか、あん」とはね、そりゃないだろ。

とはいうても、調べます言うたのもあんた、ちゃんと管理するから俺に金あずけなはれ言うたのもあんた。自業自得。しかしほんとに金まだあるんかね? とっくに使いこんだんちゃうのん?

間違いに気づいたら言い訳せんと逃げ道つくらんと「ごめん、まちごうとったわ」言わんとさ、あとが苦しゅうなるもんな。あれこれ小細工四の五の言い訳、たいへんよ。無駄な労力神経使うて得るもんはまるでなし。
「すまん」と言うてきっちり後始末、それでええんじゃなかろか。

さすがはATOK、賢いなあ・・・。買って良かった。
お、タイトルだけが「浮いて」しまった。膏薬と公約をね、「マッチング」させる予定だったのだが。。。

意識朦朧布団屁轟。

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