求道blog

不作為の罪

Posted in 行政, 報道・ジャーナリズム, 政治 by UBSGW on 2007年12月14日

あれもこれもせねばならぬというとっちらかった状況にちと苛立ちを感じているときは、たいていそのどれもが中途半端になって、墓穴というほどではないにせよ落とし穴を掘ってしまうことになる。そういうことは分かっちゃいるが、泡立ってくる感情を制御するのはなかなか厄介。修行が足りない。おいらのケツもまだまだ青いということだ。

既に前のエントリ「こうやくいかん」で書いたように、「約束したじゃねえかよ」とネチネチ責めることは、問題そのものの解決や再発の防止に毛ほどもよい影響をもたらさないどころかむしろ悪影響すら考えられるのであるからして、じっくり考えて欲しいものだ(他力本願ですまない)。むろん過去数十年に渡って溜め込んできた膨大なゴミの山をあらためて整理しなおしてそれぞれ数千万のグループに分別するということがどれほど困難、いや絶望的なことであるかくらいのことは私にも分かる。したがってデータの云々とは別の次元の解決法も考慮されなければならないのだろう。なにせ積極的な(前向きな)対策といえばそれしかないのだ。データの再整理に関しては、これはもうやり残した夏休みの宿題どころのハナシではない。過去のツケをうやむやにしてしまうはずがどうしたはずみか表面化してしまった。お天道様はだませない、のだ。

いったい社会保険庁は過去数十年間なにを「仕事として」きたのであろうか。

この年金記録問題はどうやら過失によるものではなく不作為の罪というべきだろう。「放っておけばいずれ片がつく」「黙っていればバレはしない」という組織的判断が下されたと考えなないことには理解し難い事件を、大手マスコミは今日まで大臣たちのパフォーマンスやら末端職員の横領事件(そもそも事件化すらされていなかったのだそうだが)というところに、そして「政府与党の公約違反」程度のことに矮小化し続けている。そう、矮小化し続けているのだ。これは私の筆の誤りではないよ。

むろんそれらが取るに足らないことだと言いたいわけではない。ただ、問題はそれだけにとどまらないのではないかと言いたいだけである。問題を先送りし続け、ほっかむりを決め込み、自分たちだけの利を追い求める。自らが果たさねばならぬ責務にはまるで盲自である一方でおのれのちっぽけなプライドとポジションを保つことを基準としてすべてを図ってきた。かりにそれによって他人がどのような悲惨な状況に陥ろうと、あるいは他人に時間的・金銭的・肉体的その他諸々の損失を与えようとも「オレ様の利益に比べればちっぽけなものだーい」と知らず知らずのうちにでも思っているのだと考えなければとても理解不能なことども。ましてこの年金問題は膨大な人間と莫大な金銭が関係している。大騒ぎにならぬほうがむしろ奇妙なくらいのものだ。このような不作為が同庁あるいは厚生労働省だけの特殊例だという証明が決して不可能であるところからかんがみるに、この年金問題以外にも同様の不作為があちらこちらに滞留していないと言うことはできないことになる。現に薬害問題が同時進行中のようだ。これもまた酷いはなしであって思わず拳が固くなる。

今の日本、国じゅうが背信と裏切りとで覆い尽くされている。せめて我が身の周囲だけでもそうしたものとは無縁のものにしたいと強く強く思う。しかしこれもほどほどにしておかねば結局自分自身が怒りに呑み込まれかねない。これには是非気をつけておかねば。なぜなら怒りは無駄に体力を消耗させるから。俺もまた自分だけの利益を考えてるとはたしかに言えるわけだ。

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コメント / トラックバック2件

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  1. かつ said, on 2007年12月16日 at 12:31

    古館伊知郎などは、青筋たててさかんに「公約違反だー」などと、怒って見せてますがね、無理なことは誰もが最初から分かっていたことです。
    そもそも無理が見え見えの「公約」を安易にした時点で、前の首相は国民からあきれ果てられて最終的に見放されたのでしょう。
    古館氏が本当に「公約」を信じていたのなら、怒るのも分かりますがね。なんなのでしょう、あの人は。最近は、顔を見るのも嫌になりました。
    記者に「分かるでしょ」と言った福田氏の心中は、実によく分かります。
    前首相も元気になったようですから、「公約」がどうのこうのなんて話は、現首相ではなく彼に聞けばいいことでしょうに。

  2. UBSGW said, on 2007年12月16日 at 14:20

    >現首相ではなく彼に聞けば
    まさしくおっしゃる通りだと思います。
    虚言を弄した上に後任の総裁にまで迷惑を掛けたということで議員辞職・党除名くらいのことはありでしょう。
    そしてまたマスコミが彼だけ不問に付すのなら、マスコミは事の内実ではないものに執着する「万年野党」とまるで同類だと言うべきでしょうね。
    「想定の範囲内」ではありますが・・・。


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