求道blog

なるほど、そういうことか

Posted in 政治 by UBSGW on 2007年12月18日

また大魚を逃した気分なり。昨晩も想念がふくらみすぎてふくらみすぎて困るくらいであったのに、布団から出ることあいかなわず。考えていたことといえば年金問題と島田雅彦。なおこの両者につながりはない。

「年金記録統合やっぱり無理です」問題でなぜあれほど公約違反公約違反と騒がれたのか(すでに過去形)。年内に完了する、一年以内に終えます、とは安倍前首相の「お約束」であったわけだが、当時から既にそれが単なる政治的発言(実現可能性を度外視した発言)に過ぎないことを少なからぬ人たちが指摘していた。なにせ実務上それ(記録の完全統合)がほぼ不可能であることは見えていたのであるから、それを「ぜったいやります」という発言の中には、文字通り(額面通り)ではない含意を読み取る方が理にかなってかなっていたからだ。

福田Jr.首相に対する公約違反非難の大合唱も改めて考えてみればなにも不審がることではなかったなと今は思う。公約違反を非難している人たちにとっての優先順位は時の政権に打撃を与えうるかどうかにあるにすぎず、したがって社会保険庁が過去数十年にわたってなしつづけてきた不始末をどのようにして解決するかという点は考慮のほかなのだ考えてみれば、あまりにも当然の公約違反非難スクラムである。問題(課題)そのものの解決そっちのけで「犯人」を探し求め「責任者を出せぇ」とがなりたてる人たちに対して、「あのさ、そんなことはじめから分かってたんじゃなかった?」と言っても無駄だ。あのスクラムを組んだ人たちをチンピラ呼ばわりするつもりはないが、やっていることはまるで同じなのではないですか? とひとこと言いたい気はする。

そもそも年金記録問題は政策課題ではない。なぜならそこにはそもそもほかの選択肢が存在しないからだ。「調べます、統合します、解決します」という以外の選択肢ははじめから存在していない。むしろ政策課題とすべきはこの問題を「今後どのような方法で解決していくのか」ということであって、「解決するか解決しないか」「(いつまでに)解決できるかできないか」ということが問題の核心ではない。しかしながらそのあたりの切り分けがマスコミにはできない(というより「する気がない」のだろうな)。官僚ならぬ政治家の本務は、錯綜する利害関係を調整し、選択可能な複数の選択肢にとりまとめ、国民に提示し、国民を代行して決定をなすというところにある。つまりはそもそも選択肢の存在しない問題(解決しますとしか言うほかない問題)についてそれを「公約って言ったじゃないか」と批判するのは「政治家」に対する批判としては的外れと言える。もちろん安易に「公約した」のなら批判は甘受すべきであろうしそもそも首相は行政のトップじゃないか、と言えば言える。しかし行政官に対して「公約違反」を咎めるのはいささか奇妙なことである。まあ問題の大きさが明らかになったところで次の首相が登場してくればちょうどよい、福田さんは掃海艇・地雷処理係としての任務は完遂したのだということになろうか。いたずらにほかを刺激しないというところはまさに「掃海艇」といえるかもしれぬ

もし大手新聞の一社や二社が「公約違反」とがなりたてているくらいなら私とてこんなことはたぶん書かない。ところが現実はそろいもそろってそればかりというのでは嫌味のひとつも言いたくなるというもの。なにせそれをやることで問題の解決に近づくとはちっとも考えられないのだから。ほんとうに物事を解決しようとするのならば、そもそも問題はどのようなものなのか、現状はどうなっているのか、原因(これは「責任の所在」ではなくて「機能的な原因」)は何か、そう考えるのが自然であろう。今の日本ではそうしたことが考慮されることがないまま、なんでもかでも「政治問題」「政権批判」に結びつけられてしまい、解決すべき問題の本質はいつまたっても閑却されたまま放置されてしまう傾向があるようだ。せめてどこか一社でもクールに問題を追及追究するマスコミがあっても良いと思うのだが。
それにしても大手マスコミはどこをとっても金太郎飴だ(ま、いまさらだな)。佐世保の乱射事件に関する12月16日付けの全国紙論説はそろいもそろって銃所持許可要件の厳格化一色に染まっていた(先日のエントリで引いた某地方新聞社もまったく同旨であったな)。その言うところに異を唱えるつもりはないものの、誰も彼もどの社もこの社も言うことは同じ、という状況は気味が悪いとは言える。本当に彼らが自分の頭を使って書いているのなら、もう少しそれぞれ違った視点から問題を捉えそうなものだが。まあ同じ人間の考えることがそれほどかけ離れたものではありえないとも言えるだろうけどさ。

ともあれ難癖つけられるのなら細かいことはどうでもいいということかもしれぬ。
もしそうならほんとにチンピラだよ。
知性の欠けてしまったマスコミの恐さを日本人がもう一度味わう機会がそう遠くない未来にやってくるのだろうか。

と、こう書いてみてやはりというべきか、当初の予定とはかけはなれたところに着地してしまった。しかもどうやら着地失敗。まあいい。なんだか「失敗して何か問題あっか?」と開きなおる習性は年々強化されていっている気がするな。態度の悪さは昨日今日からのものではないので。御免なすって。

ついでに
くおりあさんがまーちゃんといっしょになって某作家をチクリといじめていた。ちょっと思うところがあったけれどそれについてはまたいずれ。

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コメント / トラックバック1件

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  1. 河童 said, on 2007年12月22日 at 2:47

    健チャンと雅チャンの二人が、駄目ダシしていた某人気作家についてのエントリーを早く拝見したいものです。
    ヨロシク。。。


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