求道blog

経済本の悪趣味

Posted in 備忘録 by UBSGW on 2008年12月31日

ただでさえ雑用に追われた一年も終わろうとしているこの時期にこそ腰を据えて本を読もうと考えていたのに、まるで嫌がらせのように用件が舞い込んで腰砕けになってしまった。腹立ちまぎれに普段は読まない分野の本を手に取ってみた。今日はジョージ・ソロス『ソロスは警告する』(講談社刊)。「再帰性」「可謬性」のくだりなどはなかなか面白く読めたいっぽう、今後の見通しや提言に関しては「所詮他人の言だからね」と、いつもどおりハナシ半分で流し読みで読了。(たぶんソロスもそんな「嫌な」読み手のような気がする)。
投資家としてのソロスの名前は、経済にも投資にも関心の薄い野人の耳にも届いていたが、実際に本を手に取ったのは今回が初めてであった。一般論として、こと「投資」に関連する書籍の類は、私が本を買おうとするときに「買いたくなくなる」要素をたくさん持っている。

  • 大げさな言葉を連ねた帯
  • いまは無い雑誌「BIGtomorrow」みたいな前書き
  • 再読に耐えない本文
  • あってもなくてもいいような後書き

その点、この本は買って得したとまでは言わないが、少なくとも損した気分にはならずにすんだ。ちなみに、私にとっては、ソロスが「興味なかったらとばして読んで」と断っていた部分(再帰性に関する詳論部分)こそ、最も面白く読めた。

記録がてらこの本について以下にメモしておく。

(帯文)
大恐慌は予言されていた!今何がこっているのか これから何が起こるのか!カリスマ投資家松藤民輔氏推薦!「私が今までで一番勉強させてもらった本だ!大ベストセラー講談社 伝説の投資家が警告する「最悪の経済危機」市場経済への過度の依存が今日の危機的状況を生み出した。迫り来る最悪の不況に処方箋はあるか。来るべき未来にわれわれはどう備えるべきか。松藤民輔氏の巻頭解説つき ”大局観”を持つ人間のみが生き残る時代!!

(巻頭解説の中見出し)
「伝説の投資家」の投資法は常にシンプル、ソロスの本が欧米のエリート志願者に読まれる理由、米国株式の暴落は確実に迫っている、ソロスは日本の力が見えていない? 母国日本を自らの言葉で語れるエリートよ、出でよ

ここまでメモして思ったことは、私が読む本を選ぶ基準の一つは、序言なり前書きなりが本文と同じ方向性を持っているかどうかということかもしれない。その点、この本は巻頭解説を書いた人と著者とのスタンスの違いは、太陽と月くらいに違うと思う。そして、太陽と月の違いに関する認識は、これまた人それぞれ甚だしく違うものと思われる。
示唆に富んだ一冊でありました。

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