求道blog

卑怯者とよばれて

Posted in 雑記 by UBSGW on 2010年5月10日

毎日新聞が琉球新報の「『普天間は米本土に』ジョンソン氏“傲慢”と米紙で論評」という記事をほぼまるごと再配信している。

  • 「普天間は米本土に」 ジョンソン氏“傲慢”と米紙で論評(2010年5月9日付)
  • 普天間移設:「米本土に」国際政治学者“米国は傲慢”と米紙で論評(2010年5月10日付)

6日付米ロサンゼルス・タイムズ紙の読者欄に、国際政治学者のチャルマーズ・ジョンソン日本政策研究所長(カリフォルニア在住)の寄稿文が掲載された。同氏は「新たな沖縄での闘い」と題し、米軍普天間飛行場移設問題について「米国は傲慢(ごうまん)ぶりをやめて、普天間を米本土に戻すべきだ」と強く訴え(中略)「私は憶病な鳩山由紀夫首相よりも、傲(ごう)慢な米政府を非難する。基地を維持することに取り付かれ、受け入れ国のことを顧みない」と指摘し、「普天間の返還とともに、米国は沖縄の人々に対して65年間もの辛抱に感謝すべきだ」としている

以下、毎日新聞→琉球新報→LAタイムズと記事をたどってみた感想を書いてみる。日本という国の後進性を語る文脈の中で「諸外国では・・・」「欧米先進国は・・・」という言い回しが頻繁に用いられることはもはや猫も杓子も語るところであるのでこの際どうでもよい。上に記した琉球新報・毎日の記事は、社民党の党首某女あたりが「当のアメリカのそれも偉い(かもしれない)人がアメリカ軍を本土へ撤退させよと言っているじゃないか!」と鬼の首でも取ったかのように言い募るには格好の材料かもしれないが、青筋立てて叫ぶ前にはよくよく相手の言わんとするところを確かめておくほうが良いと思う。

チャルマーズ・ジョンソン(Chalmers Johnson)という人物は確かにアメリカ軍を米本土へ撤退させよとは語ってはいる。ただそのあとに続く彼の言葉を削ってしまっては粗忽、でなければ卑怯だと私は思う。

I find Hatoyama’s behavior craven and despicable, but I deplore even more the U.S. government’s arrogance in forcing the Japanese to this deeply humiliating impasse. The U.S. has become obsessed with maintaining our empire of military bases, which we cannot afford and which an increasing number of so-called host countries no longer want. I would strongly suggest that the United States climb off its high horse, move the Futenma Marines back to a base in the United States (such as Camp Pendleton, near where I live) and thank the Okinawans for their 65 years of forbearance.

“Another battle of Okinawa” (May 6, 2010)

ジョンソン氏は、基地の負担を他人事としてとにかく基地を米本土へ引き上げるべきだと言うよりは、むしろ「なんならこれからはおらが町でそれを背負うだよ、過去65年間にわたって負担に耐えてくれた沖縄人よ有り難う」と(たとえ修辞にせよ)言っている。ジョンソンの一文を「アメリカ人による本土撤退論」と読むのも読者の勝手なら、あるいは普天間問題に関して(沖縄人を除く)日本人の誰一人として「今まで有り難う。これからはワシんとこで引き受ける」とは口の端にも載せなかったことへの痛烈な皮肉と読むのもまた読者の自由じゃなかろうか。

で、これを書いた私自身にはいったい何が出来るのかを考えはじめて言葉を失うわけだ。

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